- 怖い顔したお不動さん、ホントはこんなに親しみやすい
うちの成田山水上寺のお不動さんは、「水上寺の経緯」でお話し致しましたように明治21年に、ここ水上温泉の地へお迎えしました。
水上へお迎えした後は、沢山の温泉観光客の皆様や地元水上町の方々などに親しまれて来ました。
なぜ、お不動さんだけが此処まで我々人間界において篤い信仰を受けているのかと申しますと、不動明王様は私達にとって一番近くにいて下さる仏様なのです。
簡単に申し上げますと、仏の世界にも人間界の階級と同じような感じの位が在ります。
仏の世界で一番上の階級は「如来」で次が「菩薩」等と続き、不動明王様は「明王」の階級におられます。
本当ならばお不動さんも「如来」の階級へ身を置くことが出来るのですが、なぜ「明王」の階に居るのか?なぜなら、それは私達人間を一人でも多く救いたい一心でおられるからなのです。
ですから皆様の中に色々な悩み、不安、他人には言えない内容などを、お不動さんに打ち明けて下さい。
だから私達が「お不動さん=不動明王」と言えるくらい、私達人間のすぐ近くにいつもいらっしゃてくれるのです。
親しみをもってお不動さんを信頼して下さい。私達成田山水上寺も、そのようなお寺にしていきたいと思っております
- ちょっとミステリアスな話
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この窓は水上寺の本堂南側の天窓です。
ここの窓は、常に開けております。なぜなら、ここの窓を閉めると御本尊、不動明王さまが怒るからです。
うちのお不動さんは、ここの窓より、各御信徒の皆様の家へ行かれておるからです。
この窓を閉めようものなら、一夜中ガタガタと、いかにも「窓を開けろ!」と言わんばかりに音が鳴り響きます。
実際に私の妻の父親が来た時に、たまたまとても寒い夜だったので、本堂で寝る時に、ここの窓を閉めて寝てしまいました。
すると真夜中に、突然ガタガタと音がし始めました。義父は「風が強いなぁ」と思い、下窓の雨戸を閉めようと、外を見たら「風なんかひとつも吹いてなかった。」と言っていました。きっとお不動さんが「窓を開けろ!」と知らせていたんでしょうね。
- 梵字の意味
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この梵字は、種字と言い「カンマン」と申します。皆様がよくご覧になる梵字と言えば「カン」ですとか「カーン」などではないかと思います。
今、色んな意味で仏教の教えから人々が、だんだん離れて来てしまっていますが、このような梵字を通して少しでも仏教の世界に興味を持って頂ければ幸いです。
「カンマン」とは、色々な説がありますが、この意味は「お不動さまが立っていらっしゃるお姿」です。ちょうど先端の尖った部分が、お不動様の持つ剣の先端を表しています。
ですから、この種字を自分の身に付けていますと、お不動さまと常に一緒にいて、守ってもらうということになります。